住宅ローンはいくら借りられる?「借りていい額」との違いと無理なく返す目安【元営業が解説】

住宅ローンはいくら借りられる?「借りていい額」との違いと無理なく返す目安【元営業が解説】
森江一樹
この記事の監修者森江 一樹(宅地建物取引士・2級建築施工管理技士)茨城県で10年以上・100組以上の家づくりに携わった経験をもとに、特定の会社に偏らない中立の立場で解説しています。詳しいプロフィール

「住宅ローン、うちはいくら借りられるんだろう?」——家づくりで最初に気になるお金の話です。

でも、銀行のシミュレーションで出る「借りられる額」を、そのまま予算にしてはいけません。借りられる額と、無理なく返していける「借りていい額」は、別ものだからです。

私は住宅営業を13年やってきました。売る側でも、貸す側(銀行)でもない中立の立場から、住宅ローンの借入額の考え方を、家づくりの実務にそって正直に解説します。

※金利タイプや団信など個別の商品選びは、銀行・FPなど専門家にご相談ください。ここでは一般的な考え方をお伝えします。

目次

「借りられる額」と「借りていい額」は違う

「借りられる額」と「借りていい額」

銀行は、あなたが「返せるか」より「貸して回収できるか」で貸せる上限を決めます。だから、審査に通る額=あなたに最適な額、ではありません。

  • 借りられる額:銀行が「貸してよい」と判断する上限(年収・返済比率で決まる)
  • 借りていい額:あなたの生活・将来の支出をふまえ、無理なく返せる額
  • この2つには、数百万円〜1,000万円の差が出ることもあります

中立の立場だからはっきり言えます。「借りられるだけ借りる」は、いちばん危ない予算の組み方です。

「借りられる額」の決まり方|返済比率と年収倍率

銀行はおもに返済比率で借入上限を決めます。

  • 返済比率=年間返済額 ÷ 額面年収。銀行の上限はおおむね30〜35%
  • 年収倍率の目安は、35年ローンで年収の5〜7倍といわれる
  • ただしこれは「上限」。上限まで借りると、生活を圧迫しやすい

※実際の借入可能額は、金利・借入期間・他の借入・審査基準で変わります。正確な額は銀行のシミュレーションや窓口で確認してください。

「借りていい額」の目安|手取りの20〜25%で考える

無理なく返すなら、返済額は「額面」ではなく「手取り」で、20〜25%以内が目安です。

考え方計算のしかたねらい
上限(銀行基準)額面年収 × 30〜35%審査に通る上限
安心ライン手取り年収 × 20〜25%将来も無理なく返せる
判断2つの間で、家計と将来支出から決める借りすぎを防ぐ

たとえば手取り年収400万円なら、年間返済80〜100万円(月6.6〜8.3万円)が安心ラインの目安。ここに固定資産税や修繕費も加わることを忘れずに。

年収別シミュレーション|借りられる額と安心の借入額

イメージをつかむために、年収別に「借りられる額」と「安心の借入額(手取り20〜25%)」を並べてみます。

年収別 借入額安心ガイド
額面年収借りられる額の目安
(年収6倍・上限イメージ)
安心の借入額
(手取り20〜25%)
300万円約1,800万円約1,400〜1,800万円
400万円約2,400万円約1,800〜2,300万円
500万円約3,000万円約2,300〜2,900万円
600万円約3,600万円約2,700〜3,400万円
700万円約4,200万円約3,100〜3,900万円

※金利年1%・35年・元利均等返済で試算した概算。手取りは額面の約78〜80%で計算。金利・返済期間・家族構成・他の借入で変わるため、あくまで目安です。正確な額は銀行のシミュレーションでご確認ください。

「借りられる額」と「安心の借入額」には、数百万円の差があります。この差が、家を建てた後の暮らしのゆとりになります。

頭金の考え方|「いくら入れるか」より「いくら残すか」

頭金は必ずしも必要ではありませんが、考え方を知っておくと資金計画がぶれません。

  • 頭金0(フルローン)も可能:ただし諸費用(登記・手数料・保険など)は現金が基本
  • 頭金を入れる効果:月々の返済が軽くなる/総利息が減る/審査に有利になりやすい
  • 入れすぎ注意:手元資金を使い切らない。生活予備費・引越し・家具家電の分は残す
  • 目安:諸費用+予備費(生活費の半年分など)は手元に残し、余力を頭金に

「頭金をいくら入れるか」より「手元にいくら残すか」で考えると、失敗しません。貯金を全部つぎ込むと、入居後の想定外に対応できなくなります。

【元営業の視点】なぜ上限まで借りると危ないのか

契約のときは「返せる気がする」もの。でも、家を建てた後には、こんな支出が待っています。

  • 教育費:子どもの進学で家計は大きく変わる
  • 車・家電の買い替え、修繕費:家は10〜15年で外壁・給湯器などの出費
  • 金利上昇:変動金利なら、返済額が増える可能性
  • 収入の変化:ボーナス減・転職・片働きへの変化

上限まで借りていると、これらの「想定外」に耐えられません。余白を持った借入額が、結局いちばん安全です。

注文住宅ならではの注意|つなぎ融資と諸費用

注文住宅は、建売と違ってお金を数回に分けて払うため、住宅ローンだけでは足りない場面があります。

  • つなぎ融資:着工金・上棟金など、ローン実行前の支払いに使う短期融資。利息がかかる
  • 諸費用は現金が基本:登記・ローン手数料・火災保険など(借入額とは別に用意)
  • 土地から買う場合:土地の決済と建物の融資のタイミングにも注意

本体以外にかかるお金は付帯工事・諸費用の内訳にまとめています。

審査で見られること|他の借入に注意

住宅ローンの審査では、年収だけでなく「他の借入」も見られます。

  • 車のローン・カードローン・奨学金:これらも返済比率に含まれ、借入可能額が下がる
  • クレジットカードのリボ・キャッシング枠:使っていなくても影響することがある
  • 審査前に、不要な借入・カードは整理しておくと有利

金利タイプ(変動・固定)は「専門家と決める」

変動金利と固定金利、どちらが得かは、金利の先行きしだいで断定できません。

大事なのは「金利が上がっても返せる借入額にしておく」こと。金利タイプや団信の選び方は、銀行やFPなど専門家に、あなたの状況を伝えて相談してください。中立の立場では、その前提となる「無理のない借入額か」を一緒に整理できます。

予算全体は「返せる額から総額」で考える

借入額は、予算全体の一部です。「返せる額 → 総額 → 土地と建物の配分」の順で考えると、借りすぎを防げます。詳しくは注文住宅の予算の決め方へ。

無理のない借入額か迷ったら|中立の第三者に相談

「銀行に言われた額、本当にうちで返せる?」と不安なら、売る側でも貸す側でもない第三者に相談してください。すまいのみちしるべは、茨城・水戸で家づくりの無料相談を受けています。元営業の中立の立場で、無理のない予算・借入額の考え方を一緒に整理します。会社名や年収を伏せたままでも大丈夫です。

よくある質問

年収500万円だと、いくら借りられますか?

銀行基準(年収の5〜7倍)なら2,500〜3,500万円程度が”借りられる額”の目安です。ただし無理なく返せる額は、手取りの20〜25%で考えるとこれより低くなることが多いです。正確な額は銀行のシミュレーションで確認を。

頭金はどれくらい必要?

頭金なし(フルローン)も可能ですが、諸費用は現金が基本なので、最低でも諸費用分(物件価格の1割前後が目安)は用意しておくと安心です。頭金を入れるほど月々の返済は楽になります。

ペアローン・夫婦での借入はどう考える?

借入可能額は増えますが、どちらかの収入が減ったとき(産休・転職など)のリスクも上がります。「一馬力でも返せるか」を一度シミュレーションしておくと安全です。

ボーナス払いは使うべき?

ボーナスは景気や会社の状況で変動します。ボーナス払いに頼りすぎると、減ったときに苦しくなります。使うとしても、比率は控えめにするのがおすすめです。

住宅ローンの審査に落ちないためには?

他の借入(車・カード・奨学金)を整理し、返済に遅れがない状態にしておくこと。借入希望額を無理のない範囲にすることも、審査を通りやすくします。

▼ あわせて読みたい(家づくりのお金)

資金計画では、補助金で負担を軽くできる場合があります。茨城で使える住宅補助金まとめもあわせてどうぞ。

まとめ

  • 「借りられる額」≠「借りていい額」。銀行の上限を予算にしない
  • 借りられる額=返済比率30〜35%・年収5〜7倍が目安(上限)
  • 借りていい額=手取りの20〜25%で、将来の支出もふまえて
  • 注文住宅はつなぎ融資・諸費用(現金)にも注意
  • 金利タイプは専門家と。中立の立場では「無理のない借入額か」を一緒に整理

住宅ローンの借入額に迷ったら、茨城・水戸のすまいのみちしるべにご相談ください。元営業の中立の立場で、無理のない予算を一緒に考えます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次