茨城のハウスメーカー選び|エリア・地盤・展示場から見た県内の実情

茨城のハウスメーカー選び|エリア・地盤・展示場から見た県内の実情
森江一樹
この記事の監修者森江 一樹(宅地建物取引士・2級建築施工管理技士)茨城県で10年以上・100組以上の家づくりに携わった経験をもとに、特定の会社に偏らない中立の立場で解説しています。詳しいプロフィール

茨城で家を建てようと会社を探し始めたものの、数が多すぎてどこから見ればいいのか分からない——そう思っていませんか。

私は住宅営業を13年、76棟の引き渡しを担当し、いまはどこの住宅会社にも属さない中立の立場で、家づくりと不動産の相談を受けています。茨城県内で、実際に各社と競合してきた立場です。

一般的な会社選びの進め方(絞る→比べる→見極める)は住宅会社の選び方チェックリストにまとめています。この記事は、その手順を茨城で実行するときにでてくる、地域固有の条件だけを扱います。

先に結論です。

茨城では、選び方を考える前に、エリアと地盤で、候補と総額がほぼ決まってしまいます。

目次

茨城では、候補になる会社がエリアで変わる

同じ「茨城で家を建てる」でも、住むエリアによって、選べる会社の顔ぶれは変わります。好みの問題ではなく、会社側の都合で決まります。

理由はシンプルです。大手の支店や展示場が県内のどこにあるか。地場のビルダー(地元の住宅会社)が、どのエリアを地元としているか。この2つで、あなたの土地まで来てくれる会社が絞られます。

つまり、ランキングや評判を調べる前に、「その会社は、うちの土地まで来るのか」を確認したほうが早い。来ない会社をいくら比較しても、候補にはなりません。

施工エリアの「端」になると、何が起きるか

会社にはそれぞれ、無理なく対応できる範囲があります。あなたの土地がその中心なら問題ありませんが、端になると、家づくりの各場面でじわじわ効いてきます。

  • 着工までの段取り:遠方の現場は、打ち合わせや現地調査の日程が組みにくくなる
  • 現場監督の巡回:監督は複数の現場を回る。遠いほど巡回の頻度は下がりやすい
  • 引き渡し後の対応:不具合が出たとき、駆けつけるまでの距離が対応の速さに直結する

家は建てて終わりではありません。10年、20年と付き合う相手です。「建てられる」と「無理なく建てて、その後も見てもらえる」は別だと考えてください。

実際、この「その後」を理由に、施工エリアを線引きしている会社もあります。アフターで駆けつけられる範囲として、事務所からの時間距離でエリアを決めている会社です。たとえば「事務所から車で1時間30分以内」といった形になります。

県南に拠点がある会社だと、県北の土地は「エリア外」として断られることもあります。気になる会社があれば、まず「うちの土地まで施工できますか」と、早い段階で聞いてください。

エリア別の事情

茨城を大きく3つに分けると、家づくりの前提がそれぞれ違います。土地探しの段階から、エリアの性格を知っておくと選びやすくなります。

県南(つくば・土浦・守谷)

つくばエクスプレス沿線を中心に、新興住宅地の開発が進むエリアです。都心への通勤を前提にした家づくりが多く、土地の価格帯も県内では高めになります。

区画整理された新しい住宅地が多いぶん、選べる会社も比較的そろいます。土地の探し方はエリアで変わるので、守谷で土地を探す・つくばで土地を探すもあわせてご覧ください。

水戸・県央

県庁所在地の水戸を中心とした県央は、地場のビルダーが強いエリアです。

理由は、地元で長く実績を積み、口コミや紹介で受注してきた会社が根づいているから。展示場に大きく出ていなくても、地域で名前が通っている会社があります。大手だけを見ていると、こうした会社を見落とします。土地の探し方は水戸で土地を探すで解説しています。

県北(日立・ひたちなか・高萩)

県北に行くほど、対応してくれる会社の数は減ります。前述の「施工エリアの端」の問題が、いちばん出やすいエリアだからです。

一方で、土地の価格が抑えられ、敷地を広く取りやすいという利点があります。会社の選択肢は狭まる代わりに、間取りや庭で取れる自由度は上がる——そういうエリアです。土地の見方はひたちなかで土地を探すを参考にしてください。

茨城の土地が、総額をいちばん動かす

会社を比べるとき、多くの人は建物の価格に目が行きます。ですが茨城では、総額を大きく動かすのは土地の条件です。同じ建物でも、土地しだいで数十万円から百万円単位で変わります。

地盤改良(低地・造成地)

茨城には、川沿いの低地や、田畑を造成した土地が多くあります。こうした土地は地盤が弱く、地盤改良(建物を支えるために地盤を補強する工事)が必要になりやすいところです。

私が担当してきた範囲では、改良が出る土地は地表から5メートル前後に支持層(建物を支えられる固い地盤)があることが多く、改良費は坪数にもよりますが80万〜100万円前後になるケースが多くありました。これは建物の見積もりには最初から入っていないのがほとんどです。

正直に言うと、改良が出るか出ないかは、事前の判断が難しいところです。周りの家がみんな改良していなくても、その土地だけ出ることがありますし、逆もあります。調査してみないと「100%大丈夫」とは言えません。だからこそ、土地を決める前に地盤の当たりをつけ、改良費が出た場合の余白も予算に見ておくのが安全です。

土地の見極め方は良い土地・悪い土地の見分け方、エリアごとの相場感は茨城の土地相場で解説しています。

沿岸部の塩害と、設備・外装の選び方

ひたちなかから県北の沿岸部など、海に近いエリアでは塩害(潮風で金属や外装が傷みやすい現象)を考える必要があります。

たとえば給湯器は、海からの距離に応じて「塩害地域対応」「重塩害地域対応」といった仕様を選ぶことがあります。外壁材や外部の金物も、潮風で傷みにくいものを選ぶと、長い目で見たメンテナンスの手間が変わります。内陸では気にしなくてよい判断が、沿岸部では効いてくる——ここは地域固有のポイントです。

敷地が広いことの意味(平屋・外構費)

県北や郊外では、敷地を広く取れます。そのぶん平屋という選択肢が現実的になり、間取りの自由度も上がります。

ただし、敷地が広いと外構費(駐車場・門・塀・庭など建物外の工事費)も大きくなりがちです。土地が安く済んだぶんを、外構で使ってしまうこともあります。広い土地は、外構まで含めて総額で考えてください。

茨城の展示場に出ている会社、出ていない会社

茨城で会社を探すとき、多くの人はまず総合展示場に行きます。実際、候補になる会社の大半は、展示場で出会った会社の中から決まっていきます。

ですが、これには落とし穴があります。展示場に出ているのは、出展料を払える会社——つまり大手や中堅が中心です。県央で強い地場のビルダーは、展示場に出ていないことが少なくありません。展示場だけで探すと、こうした会社が候補から丸ごと抜け落ちます。

営業側から見ると、総合展示場は集客コストがとても高い場所です。出展料も、来場者を集める広告費もかかっています。だから会社は一度の来場を無駄にできず、その場で次のアポイントや、できれば申し込みまで進めたい——そういう力学が働きます。

来場されたお客様は、当番の営業に順番に割り振られるのが一般的です。つまり「どの会社か」だけでなく「誰が当番だったか」で最初の担当が決まる面もあります。急かされていると感じたら、一度持ち帰って落ち着いて考えて構いません。

展示場に出ていない地場の会社は、地域の口コミ、施工実績のある近所の家、地元の不動産会社からの紹介などで見つけるのが現実的です。水戸周辺の探し方は水戸の工務店の選び方に、展示場に行く前の準備は住宅展示場に行く前の準備にまとめています。

茨城の価格帯の現実

茨城の注文住宅は、大きく3つの価格帯に分かれます。まずは全体像として傾向をつかんでください。

価格帯の目安坪単価の傾向特徴
ローコスト系40万〜55万円前後規格型が多く、初期費用を抑えやすい
中価格帯55万〜75万円前後性能と自由度のバランスが取りやすい
大手高性能系75万円以上断熱・保証・ブランド力が強み

坪単価は、会社の計算方法や含む範囲で変わります。ここでは深追いしません。相場そのものの読み方は茨城の注文住宅の相場で解説しています。まずは「どの価格帯が自分に合うか」を決めておくと、エリアで絞った候補をさらに絞り込めます。

ここから先の進め方

エリアと土地で候補が絞れたら、その先は地域を問わない一般的な進め方に乗せていくだけです。手順はここでは繰り返しません。絞る→比べる→見極めるの流れは住宅会社の選び方チェックリストにまとめています。

ひとつだけ、最後に。会社をどれだけ比べても、最終的に家づくりの満足度を決めるのは担当者です。同じ会社でも、担当によって進み方はまるで変わります。担当が新人だったときの見方は担当が新人だったら、合わないと感じたときは担当と合わないときを参考にしてください。

会社選びで迷ったら、ひとりで抱えずに相談してください。私は特定の住宅会社に属さない中立の立場で、家づくりの相談を受けています。検討中の会社名を伏せたままでも大丈夫です。オンライン対応で、茨城県外からもご相談いただけます。相談は無料です。運営はハウスメーカー側からの手数料でまかなっているため、相談される方から費用はいただきません。無理にどこかの会社をすすめることもしません。

よくある質問

茨城県で人気のあるハウスメーカーはどこですか。

ランキングや「人気」は、着工棟数の多い会社が上位に出やすいだけで、あなたに合う会社とは限りません。棟数が多い=エリアを広くカバーしている、という読み方はできます。順位そのものより「その会社があなたの土地まで来るか」「価格帯が合うか」で見てください。特定の一社をおすすめすることは、中立の立場なのでしていません。

ローコスト住宅はやめたほうがいいですか。

一概には言えません。規格型で割り切って建てるなら、ローコスト系は合理的な選択です。注意したいのは、標準に含まれない項目(付帯工事や設備のグレードなど)で結局中価格帯に近づくケース。総額と、含まれる範囲で判断してください。

県外の会社にも頼めますか。

頼めますが、施工エリアの確認が前提です。県外に本拠がある会社でも、茨城に支店や施工体制があれば対応できます。ない場合は遠方対応になり、着工やアフターに影響が出ることがあります。まず「茨城のどこまで施工できるか」を聞いてください。

補助金を使いたいなら、会社がその制度に対応しているかが重要です。茨城で使える住宅補助金まとめで解説しています。

まとめ

  • 茨城では、選び方の前にエリアと地盤で候補と総額がほぼ決まる
  • 会社には施工エリアがあり、端になると着工・巡回・アフターに影響が出る
  • 総額を動かすのは土地。地盤改良と、沿岸部の塩害は茨城で効いてくる条件
  • 候補の大半は展示場で決まるが、地場の強い会社は展示場に出ていないことがある
  • エリアと土地で絞れたら一般的な進め方へ。最後は担当者で決まる

会社選びの入り口で迷ったら、中立の立場でご相談に乗ります。特定の会社に属していないので、会社名を伏せたままでも大丈夫です。オンラインで全国から相談でき、費用はいただきません(運営はハウスメーカー側からの手数料でまかなっています)。無理に会社をすすめることはしません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次