親が亡くなり、実家に残されたたくさんの物。
片づけないといけないのは分かっているけれど、量が多くて、気持ちも追いつかない
実家じまいや空き家の相談で、いちばん多くの方が立ち止まるのが、この遺品整理です。
遺品整理は、業者に頼めば数十万円かかることもあり、しかも「悪質な業者」も残念ながら存在します。
だからこそ、費用相場・業者の選び方・進め方を知っておくことが、後悔しない第一歩になります。
私は宅地建物取引士として、茨城で家づくりと不動産の相談を受けています。売る側でも、片づけ業者でもない中立の立場から、遺品整理の費用と業者選び、そして「片づけたあと、その家をどうするか」までを、正直に解説します。
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【お急ぎの方へ】この記事の結論
- 遺品整理の費用は 一軒家で30〜70万円 が目安(間取り・物量で変動)
- 安く・失敗せず頼むコツは 「複数社の相見積もり」。1社の言い値で決めない
- 「不用品回収業者」ではなく「遺品整理の専門業者」を選ぶ
- 片づけた後の実家(売る・貸す・活かす)まで 中立の第三者に相談を
遺品整理とは?生前整理・ゴミ屋敷片付けとの違い
遺品整理とは、亡くなった方が残した家財や身の回りの品を、必要な物・家族が引き継ぐ物・処分する物に分けて片づけることです。よく似た言葉との違いを整理します。
| 言葉 | いつ | だれの物を |
|---|---|---|
| 遺品整理 | 亡くなった後 | 故人の遺品を、遺族が |
| 生前整理 | 元気なうちに | 自分の物を、自分で |
| ゴミ屋敷の片付け | 状況しだい | 住人の物を(量が極端に多い) |
遺品整理は「物の片づけ」であると同時に、気持ちの整理でもあります。だからこそ、急がず、でも止めずに進めるのが基本です。
遺品整理は「いつから」始める?適切なタイミング
「いつやるべき?」と迷う方が多いですが、決まった正解はありません。よくあるタイミングは次のとおりです。
- 四十九日の法要後:気持ちの区切りがつき、親族も集まりやすい
- 相続の手続き前:遺品の中に相続に関わる書類(通帳・権利証・保険)がある。整理が相続をスムーズにする
- 賃貸なら退去期限まで:家賃が発生し続けるため、早めに
- 持ち家(実家)が空き家になったら早めに:放置すると家が傷み、実家じまい(売却・活用)にも不利
大事なのは「急がなくていいが、放置しないこと」。特に持ち家の実家は、片づけの遅れが、その後の不動産の判断を遅らせます。
【間取り別】遺品整理の費用相場一覧
遺品整理の費用は、間取り(物の量)が広くなるほど高くなります。一般的な相場の目安はこちらです。

| 間取り | 費用相場の目安 | 作業人数・時間の目安 |
|---|---|---|
| 1R・1K | 3〜8万円 | 1〜2名・半日 |
| 1DK・1LDK | 5〜12万円 | 2〜3名・半日〜1日 |
| 2DK・2LDK | 9〜25万円 | 2〜4名・1日 |
| 3DK・3LDK | 15〜50万円 | 3〜5名・1〜2日 |
| 4LDK以上・一軒家 | 22〜85万円 | 4〜6名・2日〜 |
一軒家(実家)の遺品整理は、30〜70万円程度になることが多いです。ただしこれは「物の量」「立地」「オプションの有無」で大きく変わるので、あくまで出発点の目安と考えてください。
実際にかかった費用として、「一軒家(3LDK)で約40万円だった」「2LDKで買取と相殺して15万円で済んだ」といった声もあります。同じ間取りでも、物の量・立地・買取の有無で数十万円の差が出ます。だからこそ、複数社の見積もりで自分のケースの相場を確かめることが大切です。
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遺品整理の費用が決まる6つの要素
見積もりの金額は、次の6つで決まります。ここを知っておくと、見積書を見たときに「なぜこの金額なのか」が分かります。
- 物の量(間取り):いちばん大きな要素。処分品が多いほど高い
- 立地・搬出のしやすさ:エレベーター無しの上階、道が狭くトラックが横付けできない等は割高
- 作業人数と日数:人件費が費用の中心
- 処分費:家具・家電・粗大ごみの量と種類(家電リサイクル対象は別料金)
- オプション:特殊清掃・供養・ハウスクリーニング・買取など
- 時期・地域:繁忙期や都市部は高くなりやすい
※特に都市部は人件費・処分費が高く、地方より割高になる傾向があります。茨城のような地域は比較的抑えやすい一方、遠方の実家だと出張費がかかることもあります。
料金の内訳|何にお金がかかっているのか
遺品整理の見積もりは、ざっくり次の費目でできています。
- 人件費:作業スタッフの数×日数。総額の中心
- 車両費:トラックの大きさ・台数
- 処分費:不用品・粗大ごみ・家電の処分料
- オプション費:特殊清掃、供養、買取査定、ハウスクリーニングなど
- (相殺)買取:価値のある品を買い取ってもらえれば、費用から差し引かれることも
「一式◯◯円」だけの見積もりは要注意です。人件費・処分費・オプションの内訳が分かる見積もりを出す業者のほうが、あとから追加請求されにくく安心です。
遺品整理の費用を安く抑える5つの方法
- 相見積もりを取る:同じ条件で複数社に見積もりを依頼し、金額と内訳を比べる。これがいちばん効きます
- 買取を併用する:家電・骨董・貴金属など価値のある品を買い取ってもらい、費用と相殺
- 自分で仕分け・処分できる分はやる:貴重品や思い出の品だけ先に分け、明らかなゴミは自治体の回収に出す
- 自治体の粗大ごみ回収を使う:業者処分より安いことが多い(手間はかかる)
- 繁忙期を避ける:年末や連休前後は混みやすい。時期をずらせると交渉の余地が出ることも
この中でも、相見積もりは「安くする」だけでなく「悪質な業者を避ける」効果もあります。1社だけの言い値で決めないことが、いちばんの防御です。
自分で遺品整理する場合|できること・無理をしない範囲
費用を抑えたい、思い出を自分の手で整理したい——そんな方は、一部を自分で行うのも選択肢です。ただし、無理は禁物です。
- 自分でできること:貴重品・書類・形見の仕分け、明らかなゴミの処分(自治体回収)、小物の整理
- 大変なこと:大型家具・家電の搬出、大量のゴミの処分、体力と時間の確保
- 向くケース:物が少ない/時間がある/近くに住んでいる
- 向かないケース:一軒家で物が多い/遠方/時間がない/特殊清掃が必要
現実的なのは「貴重品と思い出は自分で、量のある処分は業者に」の合わせ技。全部を抱え込まず、無理のない範囲で進めましょう。
遺品整理の流れ|見積もりから完了まで
初めてだと不安な「当日までの流れ」を、順を追って説明します。
- 問い合わせ・訪問見積もり:物の量を見てもらい、正式な見積もりを取る(電話だけの概算は要注意)
- 契約:金額・作業範囲・追加費用の有無・キャンセル規定を書面で確認
- 当日:貴重品の捜索と仕分け:現金・通帳・印鑑・権利証・思い出の品を先に確保
- 搬出・処分:不用品を運び出し、適正に処分(買取があれば査定)
- 清掃・引き渡し:簡易清掃のあと、最終確認
- 精算:見積もりどおりか、追加が出ていないかを確認して支払い
大事なのは、作業前に「貴重品・重要書類が出てきたらどうするか」を伝えておくこと。実家の場合、権利証や保険証券など、後の手続きに必要な書類が出てくることが多いからです。
遺品整理で「捨ててはいけないもの」|先に確保する
片づけを始める前に、これだけは処分せず必ず確保してください。あとで必要になる物が、思った以上に多いです。
- 現金・通帳・印鑑・キャッシュカード・有価証券
- 権利証(登記識別情報)・不動産の書類:実家の売却・名義変更に必須
- 保険証券・年金手帳・各種契約書:手続き・相続に関わる
- 遺言書:あれば相続の内容が変わる。勝手に開封しない
- 貴金属・骨董など価値のある物:買取や相続財産の対象
- 形見・写真・思い出の品:一度捨てると戻らない
- デジタル遺品:スマホ・PC内の契約や資産(サブスク・ネット銀行・証券)
特に実家の場合、権利証や不動産関係の書類が出てくることが多く、これらは片づけの後の「実家をどうするか」に直結します。誤って処分しないよう、重要書類は最初に一か所へまとめておきましょう。
失敗しない優良業者の選び方
遺品整理は「資格・許可」と「見積もりの誠実さ」で選びます。チェックすべきポイントです。
- 一般廃棄物収集運搬の許可(または許可業者と提携):不用品を適正に処分できるか。ここが不法投棄トラブルの分かれ目
- 古物商許可:買取をするなら必要
- 遺品整理士の在籍:遺品整理の専門資格。ひとつの目安になる
- 訪問見積もり・書面の見積もりを出してくれる
- 内訳が明確で、追加費用の条件を説明してくれる
複数社に相見積もりを取り、この項目で比べると、信頼できる業者が自然に絞れてきます。
安さだけで不用品回収業者に頼むと、遺品を分別せずまとめて処分されたり、”ゴミ扱い”で雑に運ばれてしまうことがあります。

故人の大切な品を丁寧に扱ってほしいなら、遺品整理を専門にする業者(遺品整理士が在籍するなど)を選ぶと安心です。
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「遺品整理士」とは?信頼できる業者の目安
業者選びでよく出てくる「遺品整理士」。これは民間の認定資格で、業者選びの一つの目安になります。
- 遺品整理士=遺品の適正な取り扱いや廃棄物処理の知識を学んだ認定資格
- 在籍していれば、遺品を”ゴミ”ではなく丁寧に扱う教育を受けている目安になる
- ただし資格がすべてではない。許可(一般廃棄物・古物商)や見積もりの誠実さと合わせて見る
「遺品整理士が在籍」とうたう業者でも、実態はさまざまです。資格+許可+相見積もりの3点で見極めるのが安全です。
【注意】こんな業者・見積もりは危ない
残念ながら、遺品整理には悪質な業者も存在します。次のサインが出たら、契約を見送るのが賢明です。
- 訪問せず電話やメールだけで「一式◯万円」と即答する
- 見積もりの内訳がなく、「あとは当日に」と曖昧
- 当日になって「物が多いから追加」と大幅に上乗せしてくる
- 「今日契約すれば割引」と契約を急かす
- 会社の所在地・許可・連絡先がはっきりしない
「安すぎる」見積もりも注意です。処分費を浮かせるために不法投棄する業者もいて、後で依頼者が責任を問われるケースもあります。安さの理由が説明できる業者を選んでください。
また、まれに、作業中に見つけた現金や貴金属をこっそり持ち去る(いわゆる“ネコババ”)悪質なケースも報告されています。貴重品は先にご自分で確保し、できるだけ作業に立ち会うことが、いちばんの防止策です。
特殊清掃が必要なケース(孤独死など)
孤独死や、亡くなってから時間が経っていた場合は、通常の遺品整理に加えて「特殊清掃」が必要になることがあります。
- 特殊清掃=消臭・除菌・害虫駆除などの専門作業。数万〜数十万円
- 通常の遺品整理業者では対応できないこともあるため、特殊清掃の実績がある業者を選ぶ
- 賃貸の場合は、原状回復や大家さんへの対応も絡む
よくあるオプションサービス
| オプション | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 特殊清掃 | 孤独死などの現場の消臭・除菌 | 数万〜数十万円 |
| 不用品買取 | 価値ある品を査定・買取 | 費用と相殺(プラスになることも) |
| 供養・お焚き上げ | 仏壇・人形・写真などの供養 | 数千〜数万円 |
| ハウスクリーニング | 片づけ後の室内清掃 | 1〜10万円 |
| 遺品の配送 | 形見分けの品を遠方へ発送 | 実費 |
必要なオプションは人によって違います。「何が要るか」を決めてから見積もりを取ると、比較がしやすくなります。
元気なうちにできる「生前整理」という選択肢
遺品整理は、残された家族にとって、費用も気持ちも大きな負担になります。だからこそ、元気なうちに少しずつ片づける「生前整理」も、ひとつの選択肢です。
- 本人が「残す・譲る・処分する」を選べるので、後悔が少ない
- 重要書類(権利証・保険・通帳)の在り処を家族と共有できる
- 実家じまい・相続の話を、前向きに始めるきっかけになる
「まだ早い」と感じるかもしれませんが、家族が困るのは決まって”急に”です。少しずつでも始めておくと、いざというときの負担が大きく変わります。
【中立の視点】遺品整理と「実家じまい」はセットで考える
遺品整理は、多くの場合ゴールではありません。片づけた後には「その家(実家)をどうするか」という、もうひとつの大きな判断が待っています。

- 売る:使う予定がない/現金化したい
- 貸す・活かす:立地が良い/手放したくない
- 解体して更地に:建物が古く危険/売るために
- 今はそのまま管理して待つ:気持ちの整理がつくまで
片づけ業者は「片づけ」までが仕事で、その先の不動産の判断までは中立に相談しにくいものです。ここは、売主でも買取業者でもない第三者に相談するのが安心です。実家をどうするかの決め方は、実家じまいの進め方(売る・貸す・活かすの決め方)で詳しく解説しています。
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ここまで見てきたとおり、遺品整理でいちばん大事なのは「複数の業者を比べること」。費用を抑えられるだけでなく、悪質な業者や、遺品を”ゴミ扱い”する不用品回収止まりの業者を避けることにつながります。
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よくある質問
エリア別の記事(茨城)
お住まい・実家のエリアに合わせて、地域ごとの記事もご覧ください。搬出事情・自治体の粗大ごみ・片づけ後の不動産事情など、そのエリアならではのポイントをまとめています。
まとめ
- 遺品整理の費用は一軒家で30〜70万円が目安。物の量・立地・オプションで変動
- 安く、かつ安全にするなら相見積もり。1社の言い値で決めない
- 業者は許可・資格と見積もりの明確さで選ぶ。急かす・曖昧・安すぎるは危険サイン
- はじめてで不安なら、審査済みの安心・安全な業者だけを紹介する一括見積もりが心強い
- 元気なうちの生前整理も、家族の負担を減らす選択肢
- 片づけて終わりではなく、実家をどうするか(売る・貸す・活かす)まで中立の第三者と考える
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